この記事を書くきっかけ
- 修了からn年経って落ち着いてきた
- フォロワーに大学生が多少いる
- もちろん社会人から修士に行きたいひとも応援している(これが参考になるとはわかりませんが……)
おことわり
- 身バレを防ぐため若干フェイクが入っています(でも万が一同期が読んでいたら特定できるとは思う)
- 大学院はいろいろなところがあるのでこれが参考になるとは限らない
- 重要:修士課程の時期は諸般の事情でメンタルが終了していたためよく覚えていないところもある
基礎情報
- 分野:言語学
- 英語がものすごくできるというわけではない
- 私立大学→国立大学大学院
どうして修士課程に行こうと思ったのか
- 卒論がめちゃくちゃ不完全燃焼だった
今思えば卒論でももっとできたんだけど卒論やってる時期にそれに気づけなかったよね
- 言語学がめちゃくちゃ楽しいと思っていた
今も楽しいとは思っている
学部でも貸与型奨学金を借りていたので返済が修士で増えると流石に厳しいという予感はあった。
修士課程ではそれ+バイトでどうにかしのいでいた。
どうして他大の院に行ったのか
- 図書館などの設備が充実していた
- 学際的なところをやりたかったのでちょうどいい院が見つかった
- 学部の大学の院はわりと特殊なところだった
万が一高校生でこれを読んでいてこの大学の大学院に行きたいっていうのがもう決まっていたらそこに行くのがいいが……
ちなみにわたしが入ったところの他大からの院試倍率は7倍、同じ大学だと1.5倍くらい。だいたい同じ大学:2割、他大から:4割、海外からの留学生:4割くらいの割合のところだった。あと大学院によっては同じ大学からの進学者が9割くらいでもう派閥ができてることもあるとは聞く。
院試の準備
英語2時間、第二外国語1時間、専門科目3時間でした(時間は大学によって異なるとは思うが文系だとだいたいこのセットなんじゃないかな)
英語
論文の和訳だったのでとにかく長文の訳をこなした。卒論を英語で書いたのでそのときが一番英語ができていた説がある。
第二外国語
大学が第二外国語必修ではなかったので独学でフランス語をやっていた。
早めに受験を決めてたら第二外国語をちゃんとやっていたものを……とは思うが、かなり単位が重たかったので結局独学していたかもしれない。
英語よりは短いが論文和訳だったので最低限の活用と文法を叩き込みながら例文の暗記ととそれをちょっと変えた作文を毎日やっていた。
単語は仏検準一級くらいまでやった。今はすべて忘れた。
専門科目
過去問から傾向を推測して実際に解いてはみたが……ひとりでやってると合ってるかわからんからな……
小問集合と論述という極めてオーソドックスな構成だった。
小問集合は知識が問われるので言語学概論でやったテキストを見返したりしていた
論述はとにかく型を身に着けるのが大事だとは思う
日頃のレポート真面目に書いてればどうにかなるんじゃないかな
ちなみに受験当日はあまりにもできなさすぎて途中で帰ろうかなとすら思ったが「トニー・スタークがここであきらめるか?」と考えて最後までやったのであきらめないで全部答案埋めるのが大事……
修士に行ってよかったこと
さまざまな分野ですごいひとに出会えた
先生たちはもちろんのこと、他国から留学してきているひともたくさんいる院だったため、そういうひとたちは総じてモチベーションが高く、刺激になった。
自分が知っていることはごくわずかであることを知った
そして何かを新しく知ることはとても困難であることを知った。簡単そうに見えることでもやってみるとそうではないし、やることが大事だということを学んだ。
わかりやすいテキストの書き方を学ぶことができた
特に、大学生向けに論文の書き方を教えるチューターのTAが役に立った。ひとのテキストをブラッシュアップする中で自分のテキストの至らなさに気付くことができた。
これやっておけばよかったなと思うこと
もっとたくさん勉強したかった
メンタルの調子がものすごく悪かったというのはあるけれども外部の勉強会とかもっと参加できたと思う。本を読む時間もあったはずだ。データはけっこう集められたけど修論に活かせたところは……少ない……
修論でやりたかったことの3割もできなかった
提出2週間前に1週間発熱で寝込んだりしていた。まあもっと計画的に執筆をやれよっていうはなしなんですけれども……せっかくフランス語に入門したんだからフランス語のデータももっと使いたかったですね。
人脈を作っておきたかった
学部で人間関係が大変なことになってしまったため、院ではあまりひとと関わらないようにしていたのだが、適切な距離感を保ってひととなかよくしておきたかったです。
どうして博士課程に進まなかったのか
指導教員の働き方を見ていて、将来的にこれをやったら死ぬと思った
指導教員のみならず、関わりのあった先生方はみなめちゃくちゃ多忙で、秘書をつけているひともいた。それでも大変そうだった。すさまじくタフかつ能力がないとどうにもならないんだということがわかった。
単純に貯金が尽きた
お金は後からどうにでもなるから博士課程に行っておけばよかったと思うことがなくもなかったが、今学部の奨学金返済もまあまあ大変なのに、それに上積みされると思うと……となる
就活
- 文系修士の就活は大変だとは聞いていたが比較対象がいないためわからない
- まあ会社選び間違えてすぐ適応障害からの休職になりましたが……
- それから退職してフリーランスになりましたが……
- フリーランスをやるときにも修士卒は役に立ちました(分野によるとは思うが)
- それなりのまとまったテキスト=論文が書けるというのは武器になります
- 何より武器になったのはTOEIC855点ではあったが
- 今は別の会社で働いています
結論として
「自分にはやれることがたくさんある」と「自分のやれることには限界がある」の二方面を知ることができる有意義な体験だったと思っている。研究自体は好きだったのでいつか博士課程に行きたい気持ちはある。修論の口頭試問で「おもしろかったです」って言われたの、うれしかったな。